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Excuse me

君が笑って 僕が支えて それでいいじゃないか なんて笑って

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World End Astronauts

眠い。


 地上は暗い檻のようだった。刻一刻と勢いを増していく豪雨。雨曝しのまま、僕は道の真ん中に突っ立っていた。
 天を仰いだ顔を、雨がしたたかに打って止まない。しかしそんなことには気にも留めず、僕は目を精一杯見開いて『それ』を見ようとした。
 雲は分厚かった。雨の斜線だけでなく、雲それ自体がモザイクとなってその先にあるものを覆い隠してしまう。
 どうやら僕の認識は甘かったようだ。雨の日なら、慢性的な砂埃を消し去ってくれると思っていたのに、雲や雨がそれ以上の弊害になってしまうなんて。
 僕はほうぅっと息を吐いて、目を瞑った。地面が雨を弾く音だけが木霊した。
 誰にも内緒で、こっそり抜け出してきたのだ。時刻は二十七時。明日も早いのだから、早く帰って着替えて眠らないと、身体が持たない。
 目を開いた。閉じても開いても、変わらず闇はそこにいた。
 振り返って、僕はあっと息を呑んだ。
 誰もいないと思っていたのに、真後ろに人が立っていたのだ。
 その姿は蔓延る闇を削り取って輝いていた。銀色の艶やかな長髪が雨の隙間でゆらゆら揺蕩い、瞳は海王星のようなサファイア色をしている。
 女の子は、黙って腕を掲げた。大理石のように白く、傷一つない綺麗なかいなだった。僕がそれを視線で追うと、彼女は人差し指を天に向かって差し出した。薄い雲の向こうにうっすらと透けて見える、パンケーキのような月の輪郭だ。
 僕も彼女も、一言も発さなかった。ただ、見えない月を視ようとしていた。
 五分も経つと、女の子は回れ右をしてどこかへ歩いて行ってしまった。純白のワンピースが雨に濡れて輝いて見えた。宝石のようだった。
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