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Excuse me

君が笑って 僕が支えて それでいいじゃないか なんて笑って

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夢幻

レヴァリエは到底、締め切りに間に合わないと判断したので、代わりに以下のお話を掲載します。

さっき、慌てて書き始めました。

支配者たる存在、永久野せつなと、
自分にしか興味のない、榛原渚の物語です。

物語は両者の視点を交互に繰り返しながら進んでいきますが、今回は一番最初の、永久野せつなパートだけうpします。
よければ読んでください。




 永久野せつな(とわの せつな)は、若干十七歳の女子高校生であったが、その本質はその他大勢の同い年、いや、生物とはまったく別物であった。
 彼女が彼女足る所以、せつなとその他大勢のモブたちとの決定的な特異点は、一重に「イデア」の存在を認可できるか否か、である。
 永久野せつなは生まれながらに、万物の事象の本質を見抜く力を手にしていた。
 彼女がそれに気付いたのは、物心がついたその瞬間である。せつなは、初めて見る万物の本質を、まるで説明書を読んでいるかのように易々と理解した。
 それは物だけに留まらず、人、事象、システムなど、ありとあらゆるものを対象とする。
 永久野せつなはそれのあまりの重要性と危険性に幼いながらも気付き、その能力を浸隠しにしてきた。その甲斐もあって、彼女の両親は今でもせつながただの娘だと勘違いをしている。

 彼女には、世界のイデアを見抜くだけの素質が存在していた。
 ここで、せつなの前には二つの選択肢が現れる。
 一つ、世界のイデアを見抜くことはせず、人並み以上ではあっても、人外ではない存在として生を全うする選択。
 一つ、世界のイデアを見抜き、万物を知り得た絶対の神として君臨すること。

 最初、せつなは攻略本を読み終えた後のRPGをこなすのはつまらないと判断した。
 ただでさえ万象の本質を見抜く力が備わっているのだ。それを最大限発揮したところで、かえって人生をつまらなくするだけである、と。

 結果、彼女は神にはなれなかったが、王になることはできた。
 幼稚園、小学校、中学校、そして現在在学している高校と、彼女は常にグループ、クラス、学年、果ては学校の中心に在り続け、才色兼備、文武両道の人気者として君臨した。
 イデアを見抜くだけの力があった彼女には、学校の支配など朝飯前であった。クラスメートや教師は駒に過ぎず、本来絶対権力者であるはずの校長は、盤の真ん中でうろたえるばかりの、ゲームのルールも知らぬ愚かな王将に過ぎなかった。
 せつなは全てを巧みに支配した。人間の奥底に眠る本質を見抜き、それぞれを満足する立ち居地へと動かした。当然、その感謝の念はせつなに向けられるように仕向け、彼女はますます人気を獲得していく。
 そうしてせつなは王となった。常に足元のピラミッドを観察し続け、誤差があれば修正する。下の者たちは、せつなに憧れ、恋焦がれる者も後を絶たなかった。

 やがて、せつなの築き上げたピラミッドは揺らぎ始めた。修復が間に合わないペースで、齟齬が発生し、正誤が交差し、彼女は頭を抱えた。
 せつなが最も辟易とさせられたのは、『嫉妬』であった。例えせつなに対する恩があっても、成績優秀で誰からも好かれる彼女に嫉妬の情を抱く人間は少なくなかった。
 とりわけ、恋愛絡みの嫉妬は後を絶たない。一時期はせつなの所属するクラスの男子の、三分の二がせつなに恋していたのである。こんな有様では、他の女子が嫉妬するのは当たり前だった。

 永久野せつなは考え、考えに考え、この状況を打開する方策を閃いた。
 ただの王だから、男性モブたちは自分に恋をする。ただの王だから、女性モブたちにライバルとして見られている。
 だったらば、神として昇天してしまえばいい、と。
 神になれば、恐れ多くも恋慕など抱けまい。神になれば、恐れ多くも嫉妬の情など巻き起こるまい。

 そうして永久野せつなは、ついに唯一見て見ぬフリをした『世界の本質』を見抜くことになった。
 神となるために。
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